社会的事業を育成支援するに際し、欧米ではベンチャー・キャピタル投資(VC)やプライベート・エクイティ投資(PE)といった企業投資育成の投資哲学・手法が採用されてきました。
ベンチャー・フィランソロピー(VP)と呼ばれるこの手法は、成功した事業家や投資家、財団などによって支援組織として作られ、単に寄付をするチャリティ活動ではなく、ビジネススキルを適用することによって、支援先の社会的事業の規模を拡大し、社会的なインパクトを発揮することに、資金、時間、能力を投資します。
営利企業への投資とは異なり、VPはその目標やリターンの考え方、支援方法に特徴があります。
| 支援手法 (資金・経営) |
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| パフォーマンスの 考え方 |
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| 関与の仕方 |
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90年代から欧米で広がりを見せたベンチャー・フィランソロピーの動きは、2000年代後半からアジアにも伝播しました。活動規模は様々ですがVP的な手法を採用する主要な基金では、以下のような活動が存在します。
Asian Venture Philanthropy Network(本部:シンガポール)社会課題の構造と「社会的投資」の意義

公的セクター、ビジネス・セクターの両者のどちらもが対処できないがために発生する社会課題に対して、非営利組織や社会的企業といった第3部門が、新しい社会的仕組みや価値観を創出し、社会的ニーズに応えることが求められています。
これら新しい社会的ニーズに応える取り組みを支えるために、社会的目的に基づき、民間の事業経営や投資の経験を活かした社会的事業支援が必要とされています。

非営利支援組織 |
民間助成財団 |
JVPF |
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| 支援対象 | 創業期やアーリーステージが中心 |
ステージは問わず、公募により数多くの団体を対象とする |
成長・拡大期が中心 能動的に発掘し、案件を厳選 |
| 資金規模 | 1件あたり100万円程度 |
1件あたり数百万円規模もあるが、使途が限られる 基本的に行わない |
数千万円規模、使途の制約のない中長期の成長資金 VC・PE経験者やコンサルタント、事業経験者等専門家による集中的な経営支援 |
| 経営支援 | 若手の社会人ボランティアによる勤務時間外のメンタリング |
経営支援はほとんど行われない単年度の支援がほとんど |
事業経験者による経営支援 プロボノ組織(戦略コンサル、法律事務所等)による支援 3-5年にわたる支援 |
| 社会的なインパクト | 起業家育成が中心 |
広くあまねく支援する機能 |
共に定義した社会的インパクトとKPIに基づきその最大化を目指す |
| ガバナンス | 理事会に参加 |
成果はあまり問わず、資金使途の監査によるモニタリングが中心 |
成果主義のガバナンス 理事会に参加 |